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1ケ月単位変形労働時間制の運用の落とし穴とは?

タイムカード・勤怠就業規則
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。

1ケ月単位変形労働時間制とは、従業員の労働時間を1ケ月単位で調整する労働形態のことです。
この労働時間制は、生産状況や需要の変化に対応しやすく、企業にとって非常に有効な手段として導入されることがあります。
しかしながら、運用を誤り、簡略化し、正しい運用を行っていなかったことで、未払残業など問題が発生することがあります。
本記事では、1ケ月単位変形労働時間制において生じる落とし穴について、具体的な事例とともに解説します。また、その対策についても紹介しますので、是非読んでいただき、労働環境の改善に役立ててください。

事前に1ケ月の勤務予定を決めていない。

1ケ月単位変形労働時間制を運用する場合には、その期間が始まる前に、

・その期間の労働日がいつなのか?
・それぞれの労働日ごとの労働時間

をあらかじめ決めて、従業員に周知する必要があります。

1ケ月分の勤務予定が組めないので、1週間ごとに勤務スケジュール(シフト)を決めている。といった場合も、期間が始まる前ではないため、間違った運用となります。
こういったケースの場合、1ケ月単位変形労働時間制を導入していると判断されず、原則の労働時間制で再計算されて、未払残業代などを請求されるケースもあります。

会社の都合で、勤務予定が変わる。

事前に決まっていた勤務予定を、顧客の都合や、従業員の欠勤対応などのために、変更することがあります。

・変形だからと、休日だった日に、出勤してきて、他の自由な日に休日に充てる。
・ある日、残業した分、他の日に早退して、労働時間を相殺する。

などし、残業計算を正しく行われていないケースがあります。

本来、1ケ月単位変形労働時間制では、予定勤務スケジュールと、確定勤務スケジュールが作成され、その差異が発生した場合、時間外手当や休日手当の必要がないか計算する必要があります。

フレックスタイム制のように、1ケ月の総労働時間を超えた時間だけを残業扱いにしている。

1ヶ月の総労働時間を計算し、その時間が法定労働時間を超えた時間だけを残業扱いにしていることもあります。

事前に勤務スケジュールを組む段階では、1ケ月の総労働時間が法定時間を超えていないかをチェックすることは正しい運用なのですが、実際に予定の勤務スケジュールと異なる勤務となった場合には、1ケ月の総労働時間だけでなく、日の労働時間、週の労働時間が法定労働時間を超えていないかの確認が必要です。

休日を特定していない。

1ケ月の総労働時間だけを設定し、休日数が決められたルールで運用されていないケースがあります。
残業単価の計算ミスになり、未払残業が発生したり、職業安定法違反になるケースもあるため、
注意が必要です。

就業規則や労使協定に定めがない。

就業規則や労使協定に定めがなく、手続きを踏まないまま、1ケ月単位変形労働時間制の運用を行っているケースもあります。
こういった場合、運用が正しく行われていても、制度が導入されていなければ、1ケ月単位変形労働時間制を導入していると判断されず、原則の労働時間制で再計算されて、未払残業代などを請求されるケースもあります。

1ケ月単位変形労働時間を正しく運用するには?

  1. 就業規則や労使協定に定めをし、労働基準監督署に届け出ている。
  2. 期間が開始する前に、予定勤務を決める。
    休日も、会社の規定どおりの休日数を確保する。
  3. 休日出勤が生じた場合は、振替、代休のルールにしたがって対応し、必要に応じて割増賃金を支給する。
  4. サービス業などで、顧客が少ないなどの理由であったとしても早く帰し、他の日に長く働いてもらって相殺するなどしない。
  5. 予定勤務スケジュールと異なる勤務となった場合には、法律に従い、日、週、月の労働時間が法定労働時間を超えていないか確認し、超えている場合は、割増賃金を支払う。

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